シュッとした電熱ウエアを作ってみました

もうバイクに乗るようになってから20年近く経ちます。
冬の極寒の日でもバイクで走った方が寒くない、風の摩擦熱かな、みたいなことを友達に言ってどんなスピードで走ってんねん!と爆笑されたりしていました。バイクで走れることが嬉しくて寒さを忘れていたのかもしれません(笑)
ここ数年、バイクのバッテリー、もしくはモバイルバッテリーから電力供給するアイテムが様々なメーカーから出てきています。バイクに乗る楽しみは季節や自然を感じられることだから、寒いからと言ってそんな甘えたアイテムはいらん!と当初は思っていたのですが物は試し…と使ったが最後、電熱ウエア伝道師みたいになりました。
冬場は寒さゆえに筋肉がキュッとして体が縮こまってしまいます。電熱アイテムを使用しているとライディング中の何かを避けるなどとっさの動作にも対処しやすくなって安全にライディングする手助けになっているのは間違いないと思います。
少し話が飛びますが冬こそお洒落を楽しめる季節だと思っています。小物や重ね着などコーディネートを考えるのはとても楽しい。ところが今ある電熱ウエアの大半は、ジャケット1枚で完結するかもこもこのベストタイプばかり。(それが販売側のメリットなのだけど)私はシュッと着れる薄手のもので、好きなアウターを着てコーディネートを楽しめる電熱ウエアがほしいのよとある日思いました。

私が上記の妄想をし始めたのは昨年のこと。
当時販売されていたあらゆる電熱ウエアを探す際にチェックしたのが以下。
【1】電力供給はどうか(どういうシーンで使うのか)
【2】ウエアに仕込んである電熱シートはどの部分を温めるのか、そのサイズはどうか
【3】ベストタイプ、ジャケットタイプどちらが自分にとって使用しやすそうか。
電力供給はバイクのバッテリーから直接供給、メーカーオリジナルの専用バッテリーから供給、USBでモバイルバッテリーから供給の大きく分けて3つあるようです。
バイクバッテリーからの 直接電力供給 | メーカー専用 バッテリー | USBタイプ モバイルバッテリー | |
メリット | 乗っている限りずっと暖かい | 持ち運べる。バイクから離れても暖かい。 | 持ち運べる。バイクにUSBポートがあればそこからの供給も可能 |
デメリット | 降りて冷めたら寒い(ウエア自体の暖かさのみ) | バッテリーの残量が気になる。専用品なのでスペアを買うと高くつく。 | バッテリーの残量が気になる。 |
モバイルバッテリー自体は安くなってきているので2,3個持っておくのもあり。スマホの充電にももちろん使える。
このような比較から私の使用シーンは中長距離ツーリングにも使えて、バイクから降りて外を散策するときにも使えるUSBの電力供給できるものを選択。私のバイクにはスマホ用に2口のUSBポートを付けているので、走行中はバイクのUSBポートから、降りたらモバイルバッテリーからの使い分けができるのが良いと思いました。
比較の後は条件に合う電熱ウエア探し。安っす〜、と思って見つけたものは電熱シート(または電熱線)のサイズが超コンパクトでぬくさイマイチだったりしますので要注意です。特におすすめなのは背中の広範囲をカバーしているもの、前面の胸、もしくは腹部の両サイドに電熱シートがあると体感として上半身めっちゃぬくい!と感じられます。特にお腹が冷えて体調を崩しやすい方にはぜひ参考ください。

私が購入したものは背中の広範囲と腰の2箇所、あと首の襟部分(珍しい!)にも電熱シートが入っているベストタイプのものです。ただ残念なことにユニセックスタイプで全体的にサイズが大きくて超ゴワゴワ。最初、ちょっと失敗したかなーと思いつつ、電熱の仕組みが知りたくて解体してみることに。
そしたらなんと!これは電熱ユニットを取り外せる(ベストは切っちゃうけど)ことが分かり別のウエアに移植することを閃いた!
ロードバイク(自転車)の冬用ジャージがわりと薄手で防風性、透湿性、撥水性があることに気付きこれならシャツの上に重ね着しすぎないで済むので袖ありでも上からジャケットを羽織っても動きやすかなと思いました。もともとのジャケットがタイトな方はベストタイプを選ばれた方がよいかもしれません。


バラバラに解体した電熱ユニットをどうやって移植するか。電熱シートとコード配線をジャラジャラさせて試行錯誤。もともと腰用だった電熱シートは腹部に移動。おおかた検討がついたところで自分自身では裁縫テクニック的に無謀と判断して以前からひいきにしている服のリフォーム屋の職人じいさんに相談。
職人じいさん、こんな依頼は職人人生において初めてだったからびっくり仰天(笑)えらいややこしいなぁと言いつつも1週間後に電熱スペシャルウエア〔別注とみえ←BEAMS別注みたいなイメージ〕が完成!素晴らしい出来!さすが職人!



取り外しができるようにと、少しでもかさばるのを防ぐためにあえて裏地は付けてませんので背面に糸目は出ているけど私としては気にならないのでOK!
昨年冬からすでに長距離ツーリングで大活躍中です。
防風性に優れているので、シャツ→電熱スペシャルウエア〔別注とみえ〕→アウターで十分。日本海ツーリングもどんとこい!です。

電熱スペシャルウエア〔別注とみえ〕のおかげで真冬のバイク用ジャケットとしてヘビロテ中。
ご注意:電熱ウエアの分解・組み上げには危険を伴う場合がありますので自己責任の上行ってください。
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