【バイク女子部メンバーと行く熊本ツーリング/後編】“天気の子”の願いは届くのか?

Bike Life

本田技研工業 熊本製作所(以下、熊本製作所)の二輪普及同好会「TRACK2」が主催するツーリングに参加するため、バイク女子部のメンバー数人と熊本入りしていた3月中旬の週末。

ツーリング前日までの様子はこちらで紹介していますが、ツーリング本番の3月20日(土曜)は、あいにくの雨。残念ながら予定していたオフィシャルでの女子ツーリングは中止になったものの、「雨でも走りたい!」という女性やTRACK2のメンバーが、集合場所であるHSR九州に集まってくる。その数、約40名。そのうち女性ライダーは9名。幸いにも午前中はくもり時々小雨の予報。

小雨降る中、HSR九州に集まった熊本製作所スタッフ&ファミリーのみなさん、そして私たちバイク女子部メンバー。“バイク大好き”という想いが伝わってくる

ここで、バイク女子部メンバーでもある福岡から参加の桝谷小百合さん、田中奈里さん、熊本製作所の女性メンバーとも合流でき、女性グループもスタートした。

スーパーカブ110「天気の子バージョン」を囲み、この日参加する女性ライダー全員で晴れを祈って記念撮影。朝からテンション高め?(笑)
3月中旬、熊本は桜が満開。こんな風に春を感じながら走れるなんてサイコー!

ちなみにもう一人、前日のホテルですでに合流していた腰山峰子さん(以下、峰子さん)も今回バイク女子部メンバーの一人として参加してくれている。兵庫県尼崎にお住まいの峰子さんはいつもフレンドリーに接してくださるのだけど、実は80年代には伝説の女性ライダー、堀ひろ子さんと鈴鹿4時間耐久を走ったり、サハラ砂漠縦断を成し遂げている女性レーサーの草分け的存在。今も女性だけのレーシングチーム「パウダーパフ・レーシング」を率いて、自身もサーキットを走るアクティブウーマンなのです。

中央が女性ライダーの草分け的存在でもある腰山峰子さん<旧姓は今里峰子さん>。バイク女子部運営スタッフの林香織さん(左)と今回、2日に渡って私たちと一緒にバイクで走ってくれた熊本製作所の小笠原綺音さん(右)

さて、そんなアクティブレディたちがまず到着したのは、熊本市西区河内町にあるカフェ「Route61」。海外の田舎にでもありそうな赤レンガの建物がとっても素敵!

見晴らしのいい高台に建つカフェ「Route61」。お店の前にはバイク置き場や自転車用ラックも備わっている。

テラス席の大きなテーブルを囲んで10時のティータイム。「初めまして」のメンバーもいるので、まずは自己紹介から。だけど、トークが進むにつれ「サスペンションが〜」とか「エンジンが〜」というバイク女子ならではのマニアックトーク。普通に女子会しているように見えて、会話はバイクネタ(笑)。これもバイク女子あるあるです。

バイクという共通点があるからすぐに打ち解けられる。この日はお茶とスイーツをいただいたのだけどガトーショコラが絶品!

で、じつはこのとき、香織さんが私のためにインカムを持ってきてくれていたのですが、それを取り付けるためのボルトを見て、熊本製作所でシリンダー製作を担当する小笠原綺音さんが「あ、これは2.5ミリですね」と、見ただけでサイズを言い当てたときは一同「さすが!!!」と。

インカム装着用パーツのボルトを見た瞬間に六角レンチの「径」を当てた綺音ちゃん。さすがプロ!

ちなみにこちらのカフェ、お天気が良ければ、眼下に有明海に浮かぶ雲仙が望め、夕日も綺麗に見える場所なんだとか。その景色は次回リベンジするとして、お店のスタッフさんもバイク乗りとのことなので、お近くの方はぜひ行ってみてくださいね。

女子トークはまだまだ尽きないけど、そろそろ出発の時間。今回のレディースコースは、熊本製作所の亀井忠男さんや嶋田稔喜さんら男性陣が同行してくれているのだけど、坂道でのバイクの取り回しを手伝ってくれたり、的確で安心できる先導ライダーがいてくれるのは、見知らぬ土地を走るうえでとても安心できる。いつも団体ツーリング実施前には何度も試走を重ね、工事箇所や駐車スペースの確保などいろいろチェックしているのだとか。

しかも、例年は100台以上のツーリングになるそうで、事前に地元警察にも届けを出して申請しているそう。長年実施して一度も大きなトラブルがないのは、そういう細やかな配慮があるからこそなんですね。

真っ白な阿蘇の景色にリベンジを誓う!

桜や菜の花、春を満喫できる道を走っていると、徐々に雨足が強くなってきた。次の目的地である宇城市三角西港では、男性グループと合流。この「三角西港」は世界遺産にも登録される風光明媚な場所……のはずなんだけれど、雨のため全員集合の記念撮影を撮って早々に次の目的地へ。ここもまたいつかリベンジしなくちゃ。

三角西港(みすみにしこう)は世界遺産にも登録される観光名所。石畳の港湾や洋館など明治時代に造られた建造物がそのまま残っていて、映画やドラマのロケ地にもなっているそう

男性グループと別れ、私たち女性グループは天草五橋の一号橋近くにあるレストラン&カフェ「海の隠れ家」へ。テラス席からは海、山、橋の絶景。私たちが到着すると雨も上がり、橋をバックに記念撮影もできた!事前にオーダーしていたため、お料理が出てくるのもとてもスムーズ。大人数のツーリングではこれがありがたい。みんなスマホで写真を撮ったり、女子トークで盛り上がったり。

グランピングやバーベキューもできるレストラン&カフェ「海の隠れ家」。絶景を見ながらの食事は本当に美味しい

さあ、そろそろ行こうか……という段階で本格的な雨に(泣)。とみちゃんがレンタルしたスーパーカブ110「天気の子バージョン」の祈りも虚しく、帰り道はひたすら雨。でも、ポジティブに考えれば、ランチまでは大した雨にならなかったし、私たちも十分にツーリングを楽しんだ。

可愛らしい菜の花もいたるところに咲いていた。終始一般道(高速道路は走らず)だったのだけど、信号が少なくスムーズに走れた

百戦錬磨なバイクライフを経験してきた峰子さんも「普段は低い降水確率でもツーリングに行かないけれど、今回のディープフルウェット2日間は『エイ!この雨、心底楽しんじゃえ!』の気分で、追い越しのクルマや対向の大型ダンプが放つ大量の水しぶきを浴びても大笑いできました。本当に楽しかった!」とコメント。

そう、実はこの翌日も阿蘇周辺を走ったのですが、この日は朝から14時ぐらいまでずっと雨。しかも大観峰もケニーロードも霧で真っ白で何も見えない(笑)。でも、こういうツーリングって実はすごい記憶に残るんですよね。

憧れのケニーロード……真っ白!(笑)いちおう、記念撮影を

雨降りで本来の雄大な阿蘇の景色を見せられなかったと、今回のツーリングの主催者でもある亀井さんは悔しそうだったけど、いやいや私たちは心の目で阿蘇の景色を堪能しましたよ!(←とみちゃん風に言えば)。だからこそ、次回リベンジの機会を作りたいと思いました。

左が最終日に訪れた道の駅「あそ望の郷 久木野」、右の写真はお天気のいい日の同じ場所。阿蘇がくっきりと!再訪しなくちゃ。

熊本製作所のみなさんに出会い、すっかり熊本とホンダのファンになった私たち。10月の「ホンダ モーターサイクルホームカミング」に合わせてまた走りに来るのもいいよね〜なんて話もしています。その時はより多くのバイク女子部メンバーさんと一緒に走れますように!

集合場所となったHRS九州を出発する私たち女性グループ。いや〜、本当に桜が満開で綺麗でした!

photo_TRACK2、バイク女子部

前編を読む)

Yuko Matsuzaki

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「バイク女子部 通信」編集長、Facebook「バイク女子部」管理人。バイク雑誌「MOTO NAVI」や自動車雑誌「NAVI CARS」の編集部に約12年在...

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