サイドカーでは史上初!ガールズチーム爆走中

Bike Life

F4というクラスのサイドカーレースに女性だけのチームが参戦しているという噂を聞きつけて、お話を聞きに行ってきました!

サイドカーレースとは?

「サイドカーレース」をご存じですか?私も過去に一度筑波でサイドカーレースを観た事があり、その全身を使うパッセンジャーの動きやスピード感、ゴールした後にパッセンジャーが観客に大きく手を振ってくれていてその様子が嬉しくて「またみたいな。」とは思っていたので今回、女性だけのチームがあるというのですぐサーキットに観戦に行ってきました。

サイドカーとは文字通り、側車がついている車両でドライバーとパッセンジャーが息を合わせてスピードを競うレースです。一人で走る2輪のレースとはまた違い、ドライバーとパッセンジャー2人で取り組むレースで、コーナーではパッセンジャーが地面すれすれまで激しく体重移動をしてマシンをコントロールします。 一人ではなく、二人で協力しあい、とことん話し合って結果を出すレースという所がまた興味深いですよね。

F1=世界選手権参戦マシンのレギュレーションに準じたトップカテゴリー。 
F2=ショートホイルベースのパイプフレームにフロントミッドシップエンジン。 
F4=小型レーシングニーラーによるワンメイクレースに端を発する、日本独自の規格「F4」マシンで競われています。

茂原ツインサーキットでは、 MOBARA SIDECARクラス(F4) が年間5~6戦行われていてこのクラスにSAPOちゃん達は参戦。 
この日はF1(サイドカー世界選手権参戦マシンのレギュレーションに準じたトップカテゴリー)のデモ走行も。このクラスも迫力満点!

激しい体重移動で遠心力と戦う。 

9月3日、まだ暑さ残る茂原ツインサーキットでは、MOTO WEST-GP第4戦が開催されました。この日の茂原ツインサーキットは色々なジャンルのマシンが集まり、 みなさん思い思いにレースの一日を楽しんでいます。その中でも注目のサイドカーレース。

今回応援に来た史上初・ガールズチームのドライバーはSAPOちゃん。 パッセンジャーはくろべこちゃん。二人とも大型二輪免許を持ち、バイクにも普段から乗っています。平日は仕事をしていて、お休みの日にサイドカーの走れる時間帯で練習しています。 まだレースに参戦しだして1年目のチーム。

二人が出会ったのは東京・原宿にあるカフェ「LUSSO CAFE HARAJUKU」。ここのマスターがサイドカーについてとても詳しく紹介してくれて、茂原サーキットで体験に来てそこから今に至るそうです。サーキットではずっと二人で走行について話し合っていました。

二人にサイドカーレースの魅力について聞いてみました。

【ドライバーSAPOちゃん】分からないことは先輩に聞きながら。セッティングを進めます。
【パッセンジャーくろべこちゃん】時間を見つけてはポジションのトレーニングしてSAPOちゃんがアクセル全開の時車体が安定するようにバランスをとります。

【SAPOちゃんインタビュー】(ドライバー&メカニック)

・楽しい所
自分の身体に合うようにマシンを調整しながら、どんどん速く走れるようになって楽しい。パッセンジャーのくろべこちゃんと息を合わせてコーナリング決まるとほんとに爽快です。

・バイク女子部メンバーにメッセージ
色々と教えてもらえるのでぜひ興味あれば参加してみてください。体験走行もできますのでぜひサーキットに遊びに来てください!

・これからの目標
「たくさんの先輩方に教えてもらっているので、速くなって、勝って恩を返したいと思っています。」

【くろべこちゃんインタビュー】

・楽しい所
普段の仕事はとてもハードで忙しいのですが、レースをしていることで気分転換になります。ストレス解消(笑)。SAPOちゃんを信頼していて、ドライバーのSAPOちゃんがアクセル全開しても安定して走れる体重移動でフォローしてます。

・バイク女子部メンバーにメッセージ
女性は少ないので、増えれば嬉しいな。と思います。

・これからの目標
二人で一位を目指したい。

マシンはどんな種類?

実際に初めて見るサイドカーF4クラスのマシン。ひざまづいた姿勢で乗るタイプの車両は「ニーラー」と呼ばれ、このマシンの名前はTOMBOYというそうです 。TOMBOYは「おてんば娘」という意味、2人によく似合ってますね。小さくて軽そう。二人のマシンは2ストローク80ccのモトクロッサー、カワサキKX80のエンジンを積んでます。
どのチームもほぼハンドメイドで創意工夫を凝らしたマシンはとても興味深く、機能美を感じます。まずはマシンのカスタム具合に感動。どのパーツもほぼ手づくり。創意工夫の塊です。 

ドライバーのSAPOちゃんがメカニックの役割も担っており 、走行練習の課題から、キャブを外してセッティングを修正。奮闘しながら本番に挑みます。

迫力満点!アクセル全開!

レースがスタートすると、ガールズチームの全開のアクセルからコーナリング、みなぎる闘志にびっくり。弾丸のように走り出します。駆け引きの中でどうしてもマシンの不調が出てこの日は順位を落としてしまいましたが、マシンが良ければ表彰台に充分乗れそうな勢いです。悔しそうな二人ですが片付けながらまた次戦にむけて頑張ると。 

悔しさは次回のバネにします。次こそ表彰台です!

この日優勝したのはレース3回目という綾乃さんがパッセンジャーを務めるチーム。もう一人の女性パッセンジャー、ゆきさんの誘いでこの世界に入ったばかり。二人は仲良しの親友。元々ゆきさんのお父さんがサイドカーレースのパッセンジャーをしているそう。 二人は高校時代からの仲良し。まだ2輪の免許はありませんが、スポーツのようにサイドカーレースを楽しんでいます。

仲良しパッセンジャー。左・綾乃さん、右・ゆきさん 
まだバイクの免許はありませんが、スポーツ万能な二人で、自由自在にマシンの周りで体重移動をしてドライバーのサポートをします。とても楽しそうな二人でした! 

パッセンジャーの2人に「怖くないの?」と聞くと「全然。楽しいですよ!」って笑顔で答えてくれました。スピード感とスリルは癖になるのかもしれませんね。

二人はオートバイの免許はないけれど、レースの雰囲気が好きで楽しんでいるそう。「ドライバーの方と話しながら体重移動など改善して、それがうまくいくととても楽しい!」と。実はパッセンジャーは免許も要りませんし、爽快なスピード感を味わえます。小型のF4の場合、軽い女性ライダーが向いているるかもしれません。 

白いツナギのパッセンジャーが綾乃さん。この日の優勝チームでした!
黒いツナギのゆきさんがパッセンジャー。ゆきさんはF1クラスのパッセンジャーも経験しています。

2輪のマシンは、自分達も乗っているし、共通の話題もあって話もしやすいけれど、サイドカーは未知のものなので中々声がかけづらいという印象をもっている方も多いと思います。 

でもサイドカードライバーやパッセンジャーの方々は仲間が増えるといいな、と常に思っているそうですので、マシンや走行についてなどぜひ遠慮せず声をかけてくださいとのことです。 
体験走行などもさせてもらえるということなので、ご興味がある方は観戦に行ってみてください!

サイドカー仲間が増えるのはウェルカム!ということで乗ったらハマってしまうかも。

サイドカーレースぜひ気軽に観戦を!

サイドカーレースは年間クラス別で各サーキットで開催されています。 

2023年の最終戦はF1クラスが11/26「モトレヴォリューション」@岡山国際サーキット、F4クラスの最終戦は12/16「TOYOTA SL MOBARA WEST CUP第6戦」@茂原ツインサーキットで開催。来年2024年度については日本レーシングサイドカー協会JRSAのHPに決まり次第掲載ですのでぜひチェック! 

日本レーシングサイドカー協会(JRSA) | トップページ (jrsa-sidecar.com)

HayashiKaori

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バイク女子部の管理人しています!バイク女子部が楽しめる情報ありましたら何でもご紹介ください♪ ツーリング、レース等、色んな角度で女性ライダーにバイクに触れて...

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