シュッとしたプロテクターを作ってみました
・近場を走るのにライダースジャケットは大袈裟
・プロテクターはゴツくてでかい、フットボーラーみたいになる
・風を感じたいから薄着で走りたい
だからプロテクターは付けたくない。
大半の人が良くないと思いつつもこの気持ちが分かるのではないでしょうか。
本当にバイク用プロテクターの安心感は半端ないです。ところがそれが裏目にでて、上記の懸念事項が生まれてしまっているのです。怪我の大小にもよりますが擦過痕は地味に残りますし、骨折すれば年取るほどに治りにくくなったり患部をかばって他の部分を痛めたりすることもあります。バイクに乗る限りリスクと向き合って適切な装備を着用し、自分の身にも起こり得ると思う謙虚さはライディングに現れてくると思います。
ライディングする、スピードが出る、転けることが予想されるスポーツ、という大きなくくりでプロテクターを探してみると、意外にもこれ使えるんじゃない?!というものを発見。
それは乗馬用のバックプロテクターベスト。
高貴で優雅なイメージですが、結構ハードなスポーツです。(学生の頃に障害乗馬を頑張っていた時期がありました)馬の背中から地面までは大体2mくらいあるので、振り落とされて打ち付けられたときの衝撃はすごいです。肺が口から出るとはこのことか!と空を仰ぎながら呆然としたことを覚えています(笑)
乗馬用のプロテクターも様々な形があるのですが私が見つけたこのプロテクターは背中から腰にかけて長いパッドが入っています。ポテゴケは意外にも背中よりも腰を強打してしまうことが多い(お尻が重いから?)ので、これは大きなポイントかなと思います。何より女性の体に合う専用設計だからシルエットがシュッとしてスタイリッシュ。さらにほぼメッシュ生地なので風通しがよくて着心地がよいのです。
ひとつ問題は前面を守ってくれるものが付いていないこと。
にわかプロテクターマニアな私は集めたプロテクターの中から合いそうな胸部パッドを移植することを思いつき、ベルクロで着脱できるようにプチカスタム(接着剤で付けただけ)。ベスト自体に伸縮性があるためフィット感があり着用していてもずれることはないです。
タイトルでプロテクター作ってみました、と大袈裟表現しちゃいましたが、ちょっとアレンジしただけなのです(笑)
なぜ私がこんなにプロテクターにこだわるかと言うと、
ツーリングではライダースジャケットを着て出かけるのに、ちょっとそこまでの時にプロテクター無しの格好でバイクに乗ってしまうことありませんか?
私も10年くらい前はそんな感じで無防備でした。ある時、横道から前方不注意で出てきて車にサイドから当てられてバイクから転倒したときに打ち所が悪く腰骨を折ってしまうという事故をしました。お互いにスピードはそれほど出ていなかったのでポテゴケくらいの感覚だったんです。
当時はサーキットでモタードのスポーツ走行も楽しんでいたので、スリップダウンやハイサイドで転けても革ツナギやインナープロテクターのおかげで大した怪我はしたことがなく、そのありがたさを知っていたはずなのに、公道を普段着の無防備な格好で乗ってしまう安全への意識が低かったことを反省しました。
腕や足を打撲や骨折くらいでは命を落とす恐れはそれほど高くないかもしれないけれど脊椎や胸(肋骨)を折ってしまって半身不随になって生活に支障をきたしたり、亡くなるケースが圧倒的に多いようです。
嬉しくないけれど身をもって痛みを体感していると、ちょっとそこまで乗る時でも、せめて脊椎・胸部プロテクターは付けていないと不安になります。残念なことに、これまでプロテクター無しで無事故で走れてこれた人にはこの重要性を自分ごととして捉えてもらうには難しい壁があるように思います。
冒頭のプロテクターを付けたくない理由を少しでもクリアして、バイクに乗る時にヘルメットをかぶるのが当たり前のように、気軽に着用できるプロテクターを作りたい、それが今回のプチカスタムのきっかけです。
上からシャツやパーカーを羽織っても、言われなきゃわからないくらい目立たない。強いて言えばちょっと胸が豊満に見える、くらいでしょうか(笑)
背中をグッと丸めると、プロテクター付けてるな、と分かる程度。
特に真夏はTシャツの上にこれを付けて上から写真のオーバーシャツを着て涼しさ抜群・快適・安心でした。下にTシャツを着ておくことで休憩のタイミングでサッと脱げますし、着たままでもそれほど暑苦しくはなかったです。冬場だと重ね着してジャケットやダウンがキツキツで動きにくい、ということも避けられそうです。
ほんとささやかな事なんですが、長く楽しくバイクライフを続けたいなら今だけでなく、ちょっと先の自分のためにも安全について考えていきたいですね。
(おまけの情報)このシャツはサイドがメッシュで風通しが◎ 普通のアパレルですが、見つけたときにこれは私にとってはバイク用だ!とひとり小躍りしました(笑)
ご注意:ウェアのカスタムに関しては自己責任でお願いいたします。